防水性の高いFRP造形物の劣化原因とメンテナンスについて!詳しく解説

防水性の高いFRP造形物の劣化原因とメンテナンスについて!詳しく解説
さまざまな現場で用いられているFRPは、丈夫で長持ちする性質を持つことから、公園やアミューズメントパークなどのオブジェにも採用されている素材になります。しかし、どんなに優れた機能を兼ね備えていても、経年劣化による見た目の損失や不具合は起きてしまうのです。良い状態を保つためにも、どんな特徴があり、どのようなメンテナンスを行うかを知っておくことはポイントになります。

そこで今回の記事では、FRP造形物について紹介し、劣化原因とメンテナンスを解説します。

FRP造形物について

キャラクターからアニマルまで、幅広いデザインの造形物がFRPを用いて作られています。ここでは、FRP造形物とはどのようなものなのかを詳しくみていきましょう。

FRPとは

FRPとは、石油などから作られる樹脂と、ガラス繊維や炭素繊維が合わさってできています。繊維強化プラスチックと呼ばれる、非常に強いプラスチックの一つです。加工しやすく、造形物の製作現場では有名な素材として用いられています。

金属製や木製と比べて色をつけやすいのも特徴で、防水加工に使われることが多く、耐水性が高いのも魅力です。FRPの造形物は、雨風にさらされても問題なく、耐久性にも優れている一面を持ちます。

FRP造形物のメリットとは

プラスチックの加工がしやすさを受け継ぎ、ガラス繊維の強度を兼ね備えているため、腐食に強くてあまり劣化はしません。さらに、合成樹脂だけでは金属の固さに負けますが、ガラス繊維や炭素繊維を仕様しているため、金属同様に強度を持ちます。素材自体はとても軽くて丈夫なため、造形物の中身がなくても強度を保つことが可能です。

FRP造形物だからこそ、輸送コスト削減や設置の際の耐久性などのメリットがあります。

なぜ劣化が起こるのか

防水性が高く、丈夫で長持ちするFRPの造形物ですが、月日と共に劣化とみられる症状が現れます。なかには、それほど設置から時間が経っていないケースもあり、なぜ劣化が起こるのでしょうか。ここでは、劣化が起こる原因について紹介します。

紫外線などによる経年劣化

FRPはプラスチックを用いているため、野外に設置している造形物などは紫外線の影響を避けられません。また、摩擦や摩耗を繰り返すことによる経年劣化が原因で、劣化が進行してしまうのです。劣化を放置してしまうと下地が見えてしまう場合があり、さらに劣化部分に雨水や紫外線の影響が加わることで、さらに劣化につながります。

表面のひび割れはトップコートの厚塗り

FRPで使われるトップコートは防水性を高める、耐久性に優れている性質を持ちます。これがひび割れることで、防水性を失い、劣化を進行させてしまうのです。トップコートのひび割れの原因は、「塗布の際に適した量ではなかった」または「トップコートがきちんと硬化するまでの時間」などの問題です。

トップコートを塗布する量が多い場合にひび割れるケースが多く、天候などを考慮せずに調合することでもひび割れの症状を招いてしまいます。

メンテナンス方法について

FRPはメンテナンスを定期的に行うことで、造形物の寿命を長く保つことが可能になります。ここでは、野外で使われている造形物を例にメンテナンスについて紹介します。

補修箇所の確認

野外の場合は紫外線による経年劣化で、塗装はがれ、ひび割れが生じてしまいます。大型の造形物はいくつかのパーツに分けて設置されているため、接合部分が劣化することでの不安定さなどあるかもしれません。必要な補修箇所がどこなのかを、しっかりと確認します。

現場を養生する

設置している造形物は持ち運ぶことが難しいため、現場をビニールシートなどで養生します。造形物まわりに配慮しながら作業を行うため、しっかりと作業環境を整えることが必要です。

接合部分の補強

造形物が一体化することで耐久性がアップするため、必要に応じてビス止めなど、接合部分の補強を行います。

ひび割れ部分のFRP補修

接合部分やひび割れ部分をFRPで補修します。その後、補修した部分をパテで埋めることで、凸凹の感じをきちんと処理できるのです。

塗装前処理~塗装・つや消し

塗装を行う前に、きちんと塗装前処理を行い、塗装へと進んでいきます。つや消しクリア塗装を施すことで、表面を保護し、色褪せを防ぐことができます。

まとめ

公園やショップ入り口などに設置されているキャラクターの造形物は、軽くて丈夫なFRPで作られていることが多いです。野外で本領発揮する素材であることが有名ですが、色褪せやひびなどの劣化も起こります。経年劣化によるものが多い中、定期的にメンテナンスをすることで、より良い状態をキープできるのです。

「有限会社パウ」では、数多くの造形物を制作してきた実績と経験があり、30年に携わってきた確かな技術で、幅広いご要望にお応えいたします。自社外の造形物でも、アフターフォロー・メンテナンスを行っており、塗装の剥げはもちろん、損傷部分を修復して元の美しい造形に蘇らすことも可能です。全国からご依頼を承っておりますので、お気軽にご相談ください。